資料名 | 光緒元宝(吉林省造) |
清代光緒年間(1875-1908)発行の打刻銭。裏の左右に有圏点満洲文字で書かれた満洲語がある。
左右とも飾り文字風となっている。左にdaicing(大清)、右にgurun(国)とあり、併せて“大清国”
となる。daicing(大清)は漢語の音訳で、gurun(国)は満洲語となっている。これはちょうど日本語の
重箱読みのような構成となっているわけであるが、このような表現が如何にして成立したか興
味深いところである。 なお、『新満漢大詞典』(主編:胡増益。新彊人民出版社、1994年)に“amba daicing gurun i...”(48・档) という档案館資料の用例が引かれている。ambaは“大きい”という意味であるから、これを逐語訳するならば “大大清国の”となるが、もちろん漢語譯としては“大清国の”で十分である。おそらく“daicing gurun”の “dai”が固有名詞の一部として意味を表す機能が薄れたため、“大いなる、偉大なる”という満洲語ambaが、 屋上に屋を架するが如く冠されたのであろう。 (文責:吉池孝一2010.5.18) |
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資料記号 | lmz2k02 | |
文字/言語 | 漢字・満洲文字・ラテン文字/漢語・満州語・英語 | |
材質/形態 | ? /円形コイン(打刻) | |
重さ | 24.4g | |
大きさ | 直径39.13mm、厚さ2.68mm | |
管理/所蔵 | 古代文字資料館/個人蔵 |