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資料名羅氏集存7  羅振玉『隋唐以来官印集存』民国五年(1916年)の三十葉ウラ右上に収められた元代 パスパ文字官印の印影。背刻の拓本はない。
■背刻。『集存』の記述によると、背刻には「管軍總把印」 「中書禮部造至元十五年三月日」とあるという。背刻の拓本が掲載されていないため 確認はできない。
■印影。左行より縦に読み、行は右に向かって進む。篆書体パスパ文字でgon【管】- geun【軍】-juŋ【總】-b(a)【把】-yin【印】とあり、「管軍總把印」となる。
 なお、gon【管】とyin【印】のnの字形とgeun【軍】のnの字形は異なる。これは 文字を配置する上でのバランスを考慮したものである。すなわち、前者のnは後者の nに比して刻字に要する縦幅が少なくて済む。ところで、パスパ文字には楷書体と 篆書体の2種類あるが、篆書体は楷書体よりも角ばっており画数が多い。また同一字 の異形も少なくなく変化に富んでいる。これは、①文字に威厳を付与する、②限られた スペースに文字をバランス良く配置するという2点を考慮し工夫をした結果である。
(文責:吉池孝一2011.8.17)
資料記号p2h17
文字/言語パスパ文字/漢語
材質/形態古書中の写真
重さ**
大きさ縦6.5cm×横6.5cm
管理/所蔵古代文字資料館/個人蔵