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資料名羅氏集存8  羅振玉『隋唐以来官印集存』民国五年(1916年)の三十葉オモテ左下に収められた元代 パスパ文字官印の印影。背刻の拓本はなく、巻頭の目録には「元國書印」とのみあり、 読解はなされていない。
■背刻。『集存』の記述に背刻の情報はない。
■印影。左行より縦に読み、行は右に向かって進む。篆書体パスパ文字でšin【?】- š(a)n【?】-yi【?】-yin【印】とある。漢語音の禅母š1と審母š2、および喩母y1と 幺母y2の区別の存否は不明なため、それぞれšとyで翻字した。この印につき、照那斯圖1977 (「元八思巴字篆書官印輯存」,『文物資料叢刊Ⅰ』北京:文物出版社)は「神山驛印」 (印2)とする。原件は故宮博物院所蔵であるという。
 「神山驛印」であるとすると、「神」は床母3等字であるから、パスパ文字はšin ではなく、činでなければならない。ここでは「神山驛印」という読みを保留として【?】 を付したと所以である。『中国歴代印風系列 元代印風』(重慶出版社、1999、52頁)も 「神山驛印」とするのは照那斯圖1977に拠ったものであろうか。もっとも、当該官印の 背刻があるかどうか、あるとしたならばどのようなものか、ということを確認する必要が ある。
(文責:吉池孝一2011.9.13)
資料記号p2h18
文字/言語パスパ文字/漢語
材質/形態古書中の写真
重さ**
大きさ縦5.6cm×横5.5cm
管理/所蔵古代文字資料館/個人蔵