資料名 | 羅氏集存13 |
羅振玉『隋唐以来官印集存』民国五年(1916年)の附録五葉ウラ上に収められた元代
パスパ文字官印の印影。附録目録には「國書奎章閣參書之印 翁考」
とある。羅氏の序によると、「翁」とは呉江の翁氏で『古官印考略』があるという。 ■印影。左行より縦に読み行は右に向かって進む。パスパ文字で書かれた漢語である ことはわかるが、字形は相当に崩れており、「國書奎章閣參書之印 翁考」を参考に しつつ、全体の様子から判読するしかない。左行にk‘euė【奎】-ĵ(a)ŋ【章】-g(a)v【閣】、 中の行にhev(又はhĭ(a)v)【學】-šhi【士】-c‘(a)m【參】、右行にšeu【書】-ĵi【之】-yin【印】 とあり、「奎章閣學士參書之印」となる。參書は元朝の奎章閣學士院に属す官名。 hevのhと、šeuのš、yinのyにつき、伝統的な声母の清濁の区別にしたがって文字も区別される場合が あり、それをh1,h2、š1,š2、y1,y2などと数字を付したローマ字翻字で書き分けることにしている。 しかしながらこの印の場合、区別の有無は明瞭でない。そこで数字をとってh、š、yとしてある。 なお、照那斯圖1980(「八思巴字篆体字母研究」,『中国語文』1980年4期,307-309,269頁) にこの印は未収。おそらくは、字形が相当に崩れているため文字資料としては適当でないと判断して はぶいたのであろうが、史料としては貴重である。 (文責:吉池孝一2012.2.7) |
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資料記号 | p2h22 | |
文字/言語 | パスパ文字/漢語 | |
材質/形態 | 古書中の写真 | |
重さ | ** | |
大きさ | 縦6.7cm×横6.8cm | |
管理/所蔵 | 古代文字資料館/個人蔵 |