2003年12月12日付「おろしゃ会」ニュース


Фестиваль Российских Кинопроизведений

おろしゃ会・第4回ロシア映画上映会

ロシアン・ブラザー(БРАТ)
PartT
PartU(本邦初公開)


12月10日(水)H202教室 午後1時より

 

主演のセルゲイ・ボドロフ・ジュニアは、父親のセルゲイ・ボドロフが監督を務めた『コーカサスの虜』(1996年)で一挙にスターダムに伸し上がるが、昨年9月北オセチアのロケ現場でスタッフとともに氷河崩落に飲み込まれ、今なお行方不明である。奇しくも北オセチアとはコーカサスの一地域であり、彼は永久に「コーカサスの虜」となってしまったのである。まさに「悲劇の主人公」となったセルゲイは、いまやロシアの若者のアイドル的存在であり、ロシアの「ジェームス・ディーン」となった。彼を悼むホームページの掲示板には、いまなお彼に語りかけるファンの言葉が絶え間なく書き込まれている。
監督はロシアにおける新世代を代表する作家として有名なアレクセイ・バラバノフ。本作の後に制作した「フリークスも人間も」(1998年)は、海外の映画祭でも高い評価を得た作品で、名古屋シネマテークでも上映された。続編「ロシアン・ブラザーU」も大ヒットとなったが、日本では未公開。県立大学は、全国に先駆け、これも一挙上映。ちなみにロシア語原題はブラット、すなわち「兄貴」である。

 

お問い合わせ
愛知県立大学「おろしゃ会」(学生会館D202) 代表 加藤彩美 または 顧問 加藤史朗まで

  


Фестиваль Российских Кинопроизведений

おろしゃ会・第5回ロシア映画上映会

犬の心臓

(本邦初公開につき英語字幕)


12月17日(水)H202教室 午後1時より

 

『巨匠とマルガリータ』によって、20世紀ロシア文学を代表する作家となったミハイル・ブルガーコフの短編『犬の心臓 Собачье сердце』(1925年)を映画化したもの。この作品の邦訳は早稲田の水野忠夫先生の訳で河出書房新社から刊行されたが、現在は絶版となっている。

 

あらすじ

革命直後のモスクワ。マローズとよばれる厳寒の中、人々は飢えと寒さに苦しんでいた。苦しんでいたのは人間ばかりではなかった。哀れな野良犬シャリクもまた飢えていた。しかしある時、彼は世界的な外科医・プレオブラジェンスキー教授に出会う。大好物のソーセージを餌にくれた教授に無条件に付いていく。着いた所は、教授の邸宅。帝政時代からの高級なマンションで召使や女中もいる。教授は、時に有閑マダムなどを高額の謝礼で診療したりして優雅な生活を営み、共産主義は嫌いだと嘯いている。だが革命の波は教授にも及ぶ。住居管理委員会議長のシヴォンデルとその一派は、夜ごとトロツキーの肖像画が掲げてある部屋で革命歌を歌いながら革命に命をささげることを誓う。彼らはブルジョア的な教授を弾劾し、その邸宅の没収を目論むが、革命指導部にも太いパイプをもつ教授には、なかなか手出しが出来ず、苛立ちを募らせている。
 さて教授には、ひそかな野心があった。それは、犬のシャリクの脳下垂体と睾丸を、行き倒れに移植することであった。まさに臓器移植の試みである。有能な助手ボルメンターリの協力で手術は成功し、犬の脳下垂体を移植された男は順調に回復して行き、ついに大講義室でお披露目の時がやってきた。犬の心をもつ男は、人の会話能力だけでなく、バラライカを弾き踊る能力も有することがわかる。教授に惜しみない拍手が送られるが、しかし過ぎたる及ばざるがごとし・・・事態は思わぬ展開をたどる。
                          お問い合わせは加藤史朗(内線2914)まで