Arqueología de Teotihuacan, México

計画都市における月のピラミッド


  月のピラミッドは月の広場と呼ばれる建築群の一部である。その建築群を成す他の建物は対称性を利用した基本計画をもとに都市がつくられたことを示している。また都市は地形と意図的に一体化されている。このことは、死者の大通りの中心線上に立ち、「Cerro Gordo(太った山)」(写真参照)(月のピラミッドの北側の風景を見下ろせる山)の頂上部分とピラミッドの頂上が死者の大通りのある地点でいかに正確に一致しているかを見るとわかる。それによってピラミッドは聖なる山を表すという汎メソアメリカ思想が古代都市計画の上で重要な要素であったと考えられる。おそらく都市計画の他の重要な要素は、太陽や月や金星などのような天体の動きであったと思われる。

 死者の大通りは、月のピラミッドを含む15のピラミッド型の建物に囲まれている月の広場に始まり(左の写真:月のピラミッドから撮影)、写真の奥に見られる山々のふもとまでの南方5km以上続いていた。ケツァルパパロトル宮殿は広場のすぐ南西に位置している。明らかに月の広場は、シウダデラのように、大都市における儀式用の最も重要な聖域であった。


 




Last Update: 7/13/2002(スペイン語からの日本語訳:伊納三紀子、奥田真美)
Saburo Sugiyama: Aichi Prefectural University/Arizona State University
©Copyright 2002: Moon Pyramid Project, Aichi Prefectural University, Japan/ Instituto Nacional de Antropología e Historia, México/ Arizona State University, USA
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