Arqueología de Teotihuacan, México 

発掘調査1998-1999年


 月のピラミッド調査団は、19987月にその活動を始めた。ピラミッド調査の第一歩は、西から東へのトンネルの発掘であった。トンネルの入り口は、前庭基壇部が月のピラミッドの本体と接合する部分の西側にある(左写真)。雨による浸水からトンネルを守るため、そして中のトンネルから持ってきた遺物をふるいにかけることを容易にするために、写真で見られるように入り口に金属板の天井を設置した。この調査の第一期の目的は、ピラミッドの内側の建造物の調査、そして私たちに古代テオティワカン人の儀式や信仰についての情報を与える副葬品や埋葬者の存在を確かめるためにピラミッドの中心区域まで到着することであった。今日までに、7つの建築レベルが発見されている。それらは、建造物1から7と呼ばれ、建造物456からは埋葬体234と呼ばれる3つの埋葬複合体が見つかっている。 

 

 

その後、ピラミッドの東側にある2つのトンネルの発掘を始めた。それらのうち1つは東西の方向に結ぶ私たちの最初のトンネルへとつながる。もう1つはピラミッドの中間プラットホームの正面から始まり、南から北へと発掘された。中間プラットホームにあるトンネルの目的は2つの内部の建造物、つまり月のピラミッドの“前身”とも言える以前の建造物の形状や大きさを調査することである。

 

トンネルによりピラミッド内部が発掘されると同時に、ピラミッド側面およびピラミッド外部の建造物の集中する地域で、トレンチとピットによる調査がされた。月のピラミッドの裏側()で広いトレンチが発掘され(左の写真)、また内部の建造物の存在を実証するために小さなトンネルが掘られた。この場所から得られた情報によって現在、ピラミッドの正確な大きさと形、その以前の建造物が建築の年代を知ることができる。最後の建造物である月のピラミッドははおそらく、紀元400年頃に建てられたものである。




Last Update: 7/13/2002 (スペイン語から日本語訳:磯村祥子、加藤久美子)
Saburo Sugiyama: Aichi Prefectural University/Arizona State University
©Copyright 2002: Moon Pyramid Project, Aichi Prefectural University, Japan/ Instituto Nacional de Antropología e Historia, México/ Arizona State University, USA
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