Arqueología de Teotihuacan, México 

トンネルの発掘


 月のピラミッドは、石や日干しレンガ、土が内部に詰められた頑丈な建造物である。月のピラミッドのトンネルの発掘は、地元の経験豊かな労働者たちの努力によって実現してきた。彼らは先端の尖った鉄の棒や、つるはし、ピラミッドの埋め土を取り除くために特別にあつらえた太めの鉄筋を利用する。そして発掘してできる新しい空間を確保するため、約50cm〜1mごとに埋め土を止めるための天井として木の枠組みを備え付ける。すべての建築上の情報や、私たちが建てた木の柱の位置は以下に示すような3次元の地図を作るためにトータルステーションで記録されている。

一定期間毎、古代テオティワカン人はピラミッドを増築していた。建替えの度に、古い建造物が他の新しい建造物に覆われる、つまり一時代前に建てられた建造物が新しい建造物の埋め土となるような方法で重ねられた。月のピラミッド発掘により、以前のピラミッドの壁が見つかり、それによって私たちはピラミッドの形状と大きさを復元することができるのである。

 

トンネルのルートは、トータルステーション(三次元測量機器)とコンピュータプログラムを利用し、入念に計画された。こうして発掘の拡張と発掘のシーズン毎に発見されるピラミッドの復元が可能となった。ここに示すのはトンネルの一区間の記録の例で、2000年から発掘されたピラミッドの上層部である。




Last Update: 7/13/2002(スペイン語からの日本語訳:田中由香里、田中裕喜美)
Saburo Sugiyama: Aichi Prefectural University/Arizona State University
©Copyright 2002: Moon Pyramid Project, Aichi Prefectural University, Japan/ Instituto Nacional de Antropología e Historia, México/ Arizona State University, USA
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