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資料名ボナパルト資料・拓本1  ロラン・ボナパルトの『13-14世紀のモンゴル文書』(1895年)中に 収められた拓本資料の一つ。
 元の至順二年(1331)にパスパ文字漢語と漢文で記された聖旨碑文で、孟子に「鄒国亜聖公」なる封号を与えるという内容である。大徳十一年(1307)には孔子に加封して「大成至聖文宣王」とする碑文もあり、本碑と合わせて元朝の儒教政策の重要資料になっている。孔子の「至聖」に対して孟子を「亜聖」とするのは「孔子に次ぐ聖人」の意。『孟子』は唐代以降その評価が高まり、宋代には経書に加えられ、朱子は『論語』『大学』『中庸』とともに四書の一つとした。本碑で孟子が加封されたのもその流れに沿ったものであろう。
 本拓影のパスパ文字は非常に明瞭であり、その書体も標準的で美しい。「e」と「ĭ」、あるいは「š1」と「š2」なども明確に区別されている。19世紀に採られた拓本であり、現在よりも碑面が傷む前の状態を伝えている。京大人文研に蔵する拓本よりもはるかに状態がよく、貴重な資料である。
(文責:中村雅之 2010.9.14)
資料記号pz2202
文字/言語パスパ文字・漢字/漢語
材質/形態古書中の写真
重さ**
大きさ**
管理/所蔵古代文字資料館/個人蔵

 

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