資料名 | 天命招福銭 |
清代の符呪銭。一般に流通したものではない。道教にかかわるもので、貨幣の形態を
利用したお守り。寡聞にしてこの種の満文銭が他で紹介されていることを知らない。流麗な筆書きの
字体のため読みにくい部分もあるが次のように判読する。なお、この文字は、丸や点が施された所謂有圏点満洲文字。 (表) 上abukai(天の)、下hese(ことば)、右hūturi(福を)、左isibumbi(及ばせる)とある。漢語に訳すならば “天命招福”ともなろうか。なおisibumbiの語末のiの字形はやや崩れているがiに間違いない。 (裏)上“此符”、下“壓怪”、すなわち“この符は怪を壓する”とある。左右には道教に特有な護符用の文字がある。 何らかの合体字であろうが、読み方はわからない。 ふつう満洲文字/満洲語は縦書きで行は左から右に読み進む。清代初期の太祖ヌルハチの「天命汗銭 」や太宗ホンタイジの「天聡汗銭」の銘文も縦書きで左から右に読むようになっている。ところが、 この符呪銭の場合、hūturi(福を)isibumbi(及ばせる)の銘は右から左に読むようになっており、これは漢語風ともいえよう。 あるいは“招福”という漢語表現をそのまま語順を変えずに満洲語に 置き換えたものであろうか。 (文責:吉池孝一2010.5.18) |
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資料記号 | mz2k03 | |
文字/言語 | 満洲文字・漢字/満州語・漢語 | |
材質/形態 | 銅/円形穴銭 | |
重さ | 29.8g | |
大きさ | 直径42.17mm、厚さ3.06mm | |
管理/所蔵 | 古代文字資料館/個人蔵 |