初期外国語学習書

魯語柱礎

 

        

    概要

  • 大島良一撰/明治五年刊/江藤喜兵衛・佐久間嘉七發兌/

 

        

    解説

     明治五年刊。前半が文字の紹介(活字体と筆記体、五十音のロシア語表記)、後半が単語帳という作りで、数字、四季、月や曜日の名称、動植物、日用品、動詞など百五十弱の単語を収録している(単語にはカタカナで読みが振ってある)。日本のロシア学の黎明期の産物で、江戸時代末期から明治初年にこの手の単語集がいくつか出た。
     著者の大島良一については未詳。
     書名の角書き「魯学入門」に振られた「をろしやがく」という仮名は、明治初期のロシアの一般的な呼称を知る手がかりになる。また序文にあたる「魯語柱礎序」は、縦書きの文章が左から右に配置され、漢文が四行つづいて和文に切り替わるなど、日本語表記の点からもユニークである。
     なお国内では、本学のほかに、天理大学、東京大学、早稲田大学、国会図書館が所蔵しており、後二者は本文のデジタル画像をHP上で公開している。

    【参考】中村喜和『おろしや盆踊唄考:日露文化交渉史拾遺』(現代企画室、1990年)
    【文責】半谷史郎

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