外国人に日本語を教えてはじめて18年経ちました。
今まで世界各国から来た留学生や、日本で働く外国人に教えましたが、日本語の世界は奥が深く、
いまだに「えっ、考えてもみなかった!」という質問に出くわします。
自分の母語である日本語を客観的に分析することは、
まるで自分の頭の中(=思考回路)をのぞいているようで、楽しい時間です。
みなさんは、最近「多文化共生」という言葉をよく耳にするのではないでしょうか。
地域社会でいろいろな文化背景を持った人が日本語でコミュニケーションするようになった現在、
外国人に対しては「正しい日本語」を押しつけない日本語教育、
日本語学習支援をすることがますます重要になるでしょうし、どのような相手とも意思疎通がとれる、
真のコミュニケーション能力を身につけていくことも必要です。
このような感覚や能力を持つ人が増えることで、多文化共生社会の実現に近づいていくのではないかと考えています。
県大では、日本語教育と異文化コミュニケーション分野の授業を担当しています。
これらの授業では、日本語の教育方法を学ぶだけでなく、自分自身のコミュニケーションを見つめるワークも体験します。
国際社会に通用するコミュニケーションには何が必要か、みなさんと考えていきましょう。