16世紀古文書から見たアステカの世界観
ベルナルディーノ・デ・サアグンの「ヌエバ・エスパーニャ概史」七巻翻訳
メソアメリカと呼ばれる中米・メキシコを中心とした先スペイン期原住民社会は西欧と本質的に異なった宗教や世界観を持っていた。アステカ帝国の首都、テノチティトランではこのユニークなイデオロギィーを背景に様々な儀式が行われていた。あまりにも有名な人身生け贄儀式も、このような宗教的世界観を表すものである。下記の記述は、それらの儀式の内容や神々について、スペイン征服時に原住民の立場から、ナワトル語(アステカ人公用語)で書き残された古文書のスペイン語出版の日本語訳である。アステカ社会について最も信頼のおける資料の一つと考えられており、原住民の視点に近い記述といえよう。またサアグンについては他のページを参照されたい。翻訳は愛知県立大学の外国語学部スペイン学科の学生があたり、杉山が見直している。スペイン語原本はアルフレド・ロペス・オースティンの好意・承諾により、彼の訳を使用した。また足りない部分は、今後随時付け足していく予定であり、また現訳もテスト・バージョンであって、今後改訂を加えていきたい。(左写真:サアグン神父、テンプロ・マヨール・ウェブページより)
出典:
Sahagun, Bernardino de.
1988 Historia general de las cosas de Nueva
Espana, 2v., introduccion, paleografia, glosario
y notas de Alfredo Lopez Austin y Josefina
Garcia Quintana, Madrid, Alianza Editorial.
「ヌエバ・エスパーニャ概史:七巻 原住民の占星術について」
第一章 太陽について
第二章 月について
第三章 マステレホスとよばれた星について
第四章 彗星について
第五章 風について
第六章 雲について
第八章 年月を数える為、人々が持っていた方法について
第九章 セ・トチトリの暦であった年に飢えに対して持っていた恐怖と、その前年に行っていた準備について
第十章 それぞれ4つの暦シンボルがそれぞれ13年間治めた、つまり52年間支配した年の束、そしてその52年間にやってきたことについて
第十一章 52年目に新しい火を起こすために保ってきた秩序と、その火を起こすための儀式について
第十二章 新しい火"を手に入れた後行ったことについて
第十三章 新しい火を手に入れた後に、どのように人々は年号の絵を付けた人衣服や宝飾品全てを新しくしたかについて
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Last Update: 2000年11月16日: Copyright 2000
愛知県立大学 杉山三郎
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